KORNです。失業しておりましたが、思ったより苦労せず転職できました。
転職活動自体は2020年10月から2021年1月までの期間行なっておりました。月に一件ずつ応募していたような形になりました。
その間の転職活動で見えたことなどを記していきます。
コロナウイルス発生から社会情勢が大きく変動しました。
- 一年間で求人数が70万件減少
- 倒産件数1000件超え
- うち、飲食業が182件
2008年のリーマンショックよりも、コロナショックの方が深刻と言われ、訪日外国人が前年比99%減の状況です。
オリンピックだ、インバウンド特需だと言っていた頃から急転直下となりました。多くの産業が打撃を受けており、雇用情勢は過去最悪と言えるでしょう。
私はそんな中勤めていた企業は、コロナ禍が追い風となり、過去最高益を出しておりました。業態の性質上、おそらく更なる躍進を遂げることは想像できておりました。そんな中、私は退職という道を選びました。
退職理由に関しては過去記事にて
転職活動について、苦労している方もいると思います。これから就職活動をする学生の方も、将来の参考にして頂ければと思います。
大企業からの地方転職のハードルについて
大企業から地方の中小企業への転職を私は甘く見ていました。
▶︎私が勤めていた企業について
- 従業員数14,000人超
- 全国 + 海外拠点複数(500拠点超)
- SPA系小売業(製造開発、広告企画、物流全て自社)
- 年間売上 5,400億円超
- 営業利益 1,100億円超
- 全国入社難易度企業ランキング200位以内
会社自体の規模を見れば途方もない企業である。私自身の学力や学生時代の努力は並み以下のもので、東大、早稲田、慶應卒の同期もいる中、なぜ私が入社できたのか不思議なくらいだった。
この情報だけ見ていると、「大企業」と思う人が大多数だろう。
中小零細企業であれば、この逆のことが言える場合が多く、
- 少数人員の構成
- 1人あたりが多くの業務を兼任
- 整っていない環境が当たり前
そんな中小零細の企業人事や社長から見れば、「その大企業からうちを受けに来るなんてどういうつもりだ?」という色眼鏡で最初に見られてしまうのです。
中小企業からみた元大企業マンの不安要素
給与の低下について
大企業勤めで管理職までしていたとなる場合、おそらく一般サラリーマンの給与水準より「高い」ことが大多数でしょう。
その資金力が豊富で利益率の高い大企業よりも高い報酬を用意できる中小零細企業など「ほぼない」でしょう。
私もそれは例に漏れていなかったようです。
数社面接を受けて必ず聞かれたことが「前職の給与、年収について」でした。この質問に答えなくて良いなんていう記事を見たことありますが、面接で質問を受けたことに対し「黙秘」する人材を雇う企業はないでしょう。
これは面接を受けた人事担当の方と話したことですが、「給与が低い」ことを理由に退職してしまう人が多いからだそうです。
採用業務というのはとても面倒であり、行う手続きが多いのです。採用自体にも求人媒体に出したりなどしてコストがかかっています。
その後、教育や研修を企画したりする必要があり、手間と時間がかかるのです。せっかく育てても、すぐに辞められては本末転倒。辞める可能性がある人材を少しでも減らしたいのは当然です。
プライドの高さへの懸念
実際に私が過ごしていた前職企業の中で、他の職業を乏しめるような考えの持ち主や、自身の学歴の高さをひけらかすような人は「一人として見ませんでした」
前職ではおそらくそういう思想を持っている人材は面接で落とされているのでしょう。多種多様な客を相手にする為、そういう思想があると仕事になりませんから。
ただ、若くして出世していく人材の中には「傲慢」な人間を多く見かけたのも事実です。逆に言えば、大企業で出世していく人はそういう人が多かったです。
これは中にいたから分かることであり、知らない人からすれば、「大企業は中小企業を見下している」という概念がありそうと思うことは容易です。
採用する側が懸念していることは、
- 前職ではこうだった
- 残業はこう管理されていた
- 福利厚生がこうだった
というような「前職が絶対正義」のような考えに縛られ、新しいやり方に適応できないばかりか、「反発」をする「面倒臭い」人材になることを懸念しています。
まず企業が求めていることは職種にもよりますが、
- お客を呼び込む力(営業力)
- 売上を出す力(販売力)
おおよそこの二点にしか興味ありません。どこの大学を出た、大企業で管理職を勤めた。というのが、果たして我が社にどう利益を結びつけるのか?こう見られることを意識していないと採用には結びつかないでしょう。
管理職経験者への懸念
私の場合は、前職では管理職を勤めていました。入社してから途中で退職を視野に入れていましたが、退社するまでに支部長は勤めたいと考えていたからです。
30代前半で務めることができ、億単位の売上を出すマネジメントをした経験というのは他では得られないようなことだったと思っています。
しかし、転職においては「足枷」となるパターンもあります。
これも面接時、人事の方から聞いた内容ですが、「管理職経験者は動けない人が多い」のだそうです。
年齢も重ねている人が多く、人に指示を出すことが当たり前の環境。ヘッドハンティングでもない転職市場においては一兵卒からのスタート。このギャップを解消できない人が本当に多いそうです。
私の場合、そう言った方々より年齢が若かったということと、前職管理職時代も社員数が極端に少ない支部で4時間アルバイトで店を回さざるを得ない部署だった為、自分で全部やらざるを得ない環境だった。面接時にはそう言った説明によるアピールを踏まえ乗り切ることとなった。
規模の大きさ故の偏見
規模の大きい会社であれば、従業員数も数多くおります。
中小零細企業は従業員数は少ない。当然のことなのですが、大企業での支部運営がどこも人員豊富とは限りません。
大企業も本部にはそれは多くの人が勤めているでしょうが、各地方の支部店舗にはその地域与件も絡み万年人手不足が発生しているところが多数でした。
しかし、そんな事情も「中にいる人」しか分かることではなく、外から見たら潤沢な人材が働く中で仕事をしていた。としか見られないのです。
- 「人がいっぱいいる中で働いていたんだろうけど…。」
- 「うちは大企業と違って一人で多くのことをやらなくちゃならないから大変だよ…?」
- 「残業も当たり前だよ?」
と言った偏見は直接言われませんが、そう思われているんだろうなというのは多々肌で感じました。
このように見られていることを前提に面接に挑む必要があります。
転職する際の行動指針
まず、転職してどうなりたいのか。
よくある、「地方で公務員で働きたい」と漠然と志望する人おりますが、このような「公務員」に軸を持って志望し、もし受かってしまったら悲惨な結果になると思っています。
(ちなみに私も転職を考えたときに、真っ先にとりあえず市役所、県庁勤務公務員になれば地方で安定して生活ができる。と安易に考えておりました。)
まさに私が学生時代「大企業に就職したい」という指針となる軸のない行動をしていたので、同様に失敗するパターンになってしまうでしょう。
公務員が思っていた仕事と違った。とか、思ったより激務で薄給だったとか。仕事にやりがいが感じないとか。確実にアンマッチが起きるでしょう。
まず、行動指針(ロマン)を立てて、自身の目標、目的(ビジョン)という軸を立てよう。
- 給与水準を向上させたい
- 転勤のない仕事がしたい
- 言われたことをこなす仕事がしたい
- 就業環境の良いところで仕事がしたい
- 職人になりたい
- 将来的に独立できるスキルを身につけたい
上記は例となります。こういった指針がないと「後悔」が生まれます。
転職市場において大多数なのは「給与水準を向上させたい」のパターンになるのだと思います。
高収入転職を誘う求人広告多いですよね。
私は群馬県内、主に高崎市、前橋市周辺に絞って探しておりましたが、
前職給与水準が高かったこともあり、同水準または超える余地がある職業は
「不動産営業」「大型トラックドライバー」くらいのものでした。
そもそも、高収入を期待する場合、東京・大阪・名古屋と言った主要都市周辺で探すしかありません。地方転職でなんでもいいから高水準な給与で働きたいと思ったら、歩合制の営業系しかありません。
※コロナ以前は自動車工場系の求人も給与やや高めであったようですが、コロナの影響か一切見かけませんでした。
私の場合、「転勤のない仕事がしたい(群馬県で働きたい)」と「将来的に独立できるスキルを身につけたい」でした。そしてできれば一人当たりの価値が薄い大企業で働きたくない。
この軸を持って行動していた為、「給与が低いのは当然」むしろ、学びながらお金が貰えるという感覚です。それに給与が足りないのであれば、副業等で稼げば良いだけの話なのですから。
ちなみに、面接時に「将来独立したいです」はNGです。近い将来退職しますと宣言しているも同然なので。
しかし、私の場合、社長面接で深く話こむこととなり、「正直に答えてください。」と催促されたので、「現時点で独立するしないは別として、独立できるだけのスキル、コネ人脈を5年で得たい」と答え、その企業から採用を後日頂きました。
中途採用は「即戦力」が求められている
私と同時期に退職した前職の同職位だった同期がおり、お互いに就活状況の情報交換をしておりました。私は群馬県高崎市周辺エリア、彼は愛知県名古屋市で活動をしていました。
同業種の求人が少なかったことと、何か別の新しいことを始めたかったこともあり、互いに異業種への転職に向けて活動しておりました。
行動して得た結論が「異業種であれば書類選考で落ちる」
コロナ禍ということもあり、募集に対し、コロナ以前に比べ求人をかけた時に集まる人が多いのだ。
どこの企業も一番かかる費用は大体「人件費」である。人員は必要最小限。
即戦力を求めている理由としては、「教育できる人がいない」からである。
抜けたポジションにすっぽり収まって欲しいというのが本音というのが大多数でした。大企業出身だとか学歴は関係ない。
「未経験歓迎」という文言がある企業は「可能性が残っている」というだけで、ハードルが高いのは間違いない。
学生で就職活動する人は、自分もいつか転職活動をするかもしれないという前提で企業選び、職種選びを行った方が良いでしょう。
大企業に勤められたら会社が潰れることはないし一生安泰というのは幻想です。大企業ほどモラハラ上司、我が強すぎる部下、後輩がいます。仕事ぶりに対しての徹底した数値評価、全国転勤、出世競争、落ちたものは肩たたきというのが世の常です。
私が使っていた求人サイト
リクナビNEXT
こだわりは特になく、業界最大手なので抱えている求人数が多いだろうと思い「とりあえず」登録しました。
ただ、使ってみて思ったことは確かに求人数が多いのですが、検索絞り込み機能が甘く、関係ない求人が大量に表示されるのが煩わしかったです。
地域だけで絞っているはずなのに全国転勤の企業ばかり。
こだわり検索という機能で絞り込むことができるので
一気に求人が429件から132件へ。全国展開の大企業は資金にものを言わせ、検索最上位に来るようになっているのでしょう。
あれ?結局全国展開企業が検索トップになっているし、転勤なしでチェック入っているはずなのに転勤ありきなビックモーターがトップに来てる…。
というように、本当に欲しい地域の転職情報が掴めないのである。
申し訳ないのですが、リクナビNEXTは使いにくい。と思います。
大都市部であれば地方に比べると多くの仕事がありますので、即戦力と言えずとも転職活動の間口は少し広いかもしれませんが、地方都市は仕事の数自体が少ないのでこの傾向は顕著でした。
未経験OKの仕事は、「中古車販売」「不動産営業」「建築現場監督」「介護施設勤務」「警備会社」そもそもこれらの求人が溢れかえっていました。
これらはコロナ禍でも景気にあまり左右されない業種で、「万年人手不足」というのはイメージしていましたが、その通りでした。
ミイダス
ミイダスは過去記事で紹介しました
しかし、やはり新興転職サイトだからでしょうか。地方の求人登録数が少ないです。
自身の適正職業などを知ることができる為、その時点ではよかったのですが、地方転職活動向けではないかと感じました。
はたらいく
地域密着と言えば「はたらいく」です。
こんな仕事あるの?というような地元中小零細企業が多かったです。
決して給料が高いような、ハイクラス転職とはなりませんが、地域に根差して働きたい。という場合は圧倒的にお勧めです。
私はこのはたらいくでいくつか応募し、採用をもらいました。
就職活動を終えてみて
とりあえずひと段落という気持ちでした。
しかし社員登用までは給料は大手のチェーン店のバイト以下だし、社員登用後もインセンティブがなければ大した給料は期待できなさそうである。
もし嫌になったら辞めれば良い。
得られるものが少なく、刺激が少ないようであれば別の乗り物に乗り換えて、自分の目指す道に進み直そう。
人生、気張りすぎても良いことはない。
大志を抱き、信念を持ちながら進み、その上で物事を考え選んだ道ならいつか「目的地」にたどり着くはずである。(と信じてる)
逆に目的地を見失ったらいつまでたってもどこにも着かないだろう。
同じように就職、転職活動をしている方がいたら、「目標(目的地)」を定めてから動いてください。