夫のKORNです。前に登った掃部ヶ岳から複数の山を経験し体力がついてきました。そろそろ前に登れなかった榛名山のメインと言える縦走ルートに行きたいと思います。
【私の場合の登山条件】
★日帰り登山
★マイカー移動
★ソロ登山(1名行動)
★群馬県高崎市拠点(出発地・帰宅地点固定)
掃部ヶ岳単体に登った記事はこちら
【ソロ登山】掃部ヶ岳登りました(榛名山)
榛名山は登山口の標高1,000m程で、最高峰も1,449mと高山とも言えず、低山とも言えない「丁度いい高さの山」だと思っています。
群馬県で登山を始めて思ったことが「年中気軽に登山ができること」だと思いました。
標高2,000〜2,500m級は11月中旬頃には雪が降ってしまいます。登山道に行くまでに「冬タイヤ」が必要になるかもしれません。
なので夏、秋は涼しい高山(谷川岳、浅間山、草津白根山、日光白根山、武尊山など)に挑み、冬、春季などは低めの山に挑む(榛名山、子持山、岩櫃山、赤城山、鳴神山など)と贅沢コース。
榛名山は11月末時点でもまだ凍結の様子はないし、積雪もまだ。12月も榛名山は気軽に登れそうだ。
登山開始
前回と同じく「高崎市営無料駐車場」へ駐車。→登山口へ
前回も登ったので、「硯岩」はスルー。登山開始は9:00頃となりました。
写真も撮らずそそくさ登り、最高峰掃部ヶ岳(かもんがだけ)山頂へ。おおよそ40分で登れました。
ここから未開の地、「杏ヶ岳(すもんがだけ)」へ下るルートへ。
掃部ヶ岳登山は結構メジャーなルートで、榛名山登山の大半がここを訪れていようだ。そのため、登山道は整備されているし、登りやすい。
しかし、この杏ヶ岳コースは物好き(登山好き)が行くコースなんでしょうね。
山頂から杏ヶ岳ルート入ってすぐこの有様。
え、道が見えない。
引きで見てもこんな感じ。これは入って良いのだろうか…。
前回もこの光景見て、下るの躊躇して帰ったんだよな。。
ちなみにこの植物「クマザサ」って言います。山登りするまで知らなかった。
山の動物達はこれを食べているんですね。それにしても邪魔である。そして結構急斜面の笹道。足を滑らせないように注意。
ちなみに人の気配もなく、10時台でここに来ているのは私だけのようだ。静かな道なき道を歩いているようで非常に怖い。クマザサが大量にあるという事は熊も出るんじゃないだろうかという恐怖心もあった。
杖の神峠への道のり&遭難の危機
かなり注意して歩いているが、本当に途中道がわからなくなる。
上記画像のようにずっとクマザサ道が続く。クマザサのわずかな隙間が人の通っている形跡で、登山道に違いないと思い進む。
進む。
このぐらいクマザサが避けて生えてくれると、道を認識しやすい。
そして途中で違和感に気づく。
「あれ、なんか歩きづらくない?」
道なき道を進んでいるせいか、感覚も麻痺してくる。
そして違和感は強くなる。
「これ、道じゃなくない?」
そしてこの景色に行きついた。
ああ、ここ違うわ。登山道ではない。絶対山頂あっちじゃないし…。
遭難しないコツと心得
初心者の方は必ず「YAMAP(ヤマップ)」というアプリをダウンロードしましょう。
山では電波が届かない場合があります。ちなみに榛名山は電波問題なかったです。
YAMAPで出かける前に登る山の地図を「事前にダウンロード」することができます。電波圏外でオフライン状態でも地図を開けるので、GPSと地図が動くので「自分の位置を把握できます」
このぐらいズレていました。このまま突き進んでいたら、確実に「遭難」していましたね。
山で私が気をつけている感覚として
- 今、歩き難くないか
- 今、進み難くないか
- 何かおかしくないか
- 足跡が見えなくないか
という感覚を大事にしています。なんか変だと思ったら即座に「YAMAP」で現在地を確認します。
まだ登山経験が浅かったからか、アプリの存在を忘れて夢中で進んでしまいました。
まずおかしいを思ったら、周囲を見渡し
登山道であることを示す、「目印」を探しましょう。画像では木の枝に「ピンクのリボン」が巻かれています。
岩場の場合、岩にペンキやスプレーで「○」などの印が描かれている場合もあります。
これがない場合、「登山道から外れている」可能性が高いです。
そして即座に「YAMAP」で現在地を確認しましょう。
こういった「地形を読む力(読図力)」、「登山道を発見する力(ルートファインディング力)」が登山では経験値を積むと磨かれます。
即座に道を戻り、
標識を発見!安心します!
分岐を「杖の神峠」方向へ進みます。
絶景スポット「耳岩」
杖の神峠までの道のりが非常に長く感じる。中間地点に「耳岩」というスポットがあります。
なんか見えてきたー!
岩の方に登ってみます。
絶景!!そして断崖絶壁!
当然ですがこの岩面からは下れません。死にます。
すごい迫力だ。
この断崖絶壁感伝わりますかね。高所恐怖症の方は行かないように。
ここで少し楽しんで、進もうとするが、「道が見当たらない」ことに気づく。
あの絶壁の方に行くのか?
岩を登って越えていくのか?少し岩に登るも、チェーンもロープもない。無理だし絶対違うだろ。
周辺でもたもたしていると、後ろから中年夫婦のハイカーを見つける。
そして地図を見てどこかへ進んで行ったので後を追った。
え、そこ道だったの
この「耳岩」の裏にあたる部分がルートだったようだ。今写真を見ても、道には見えない。歩いてみると存外道っぽくもあったが。
この掃部ヶ岳→杏ヶ岳ルート、結構難しいと感じました。(ルートファインディング力が問われる)
群馬県山のグレーディング表ではグレード「A2」かなり初歩級に見えます。しかし「B2」の水沢山とは比較にならない難しさを感じました。
多分A2に分類されているのは、「鎖場」「ロープ」など特殊な場面がないからでしょう。道さえわかれば大したことないのですが、結構「初見殺し」を感じました。
杏ヶ岳(すもんがだけ)へ
その後も笹道と急な下り場面が多く、足が滑る道が多かったですが無事、杖の神峠に到着。
名前の割には殺風景な場所
そして道路になっている。どうやら杏ヶ岳に登ったらここに戻って、この道路を下れば「榛名湖」に行ける道のようだ。
あの鬱蒼とした笹道を戻らなくて良いと分かり、一安心…。
そしてこの時点で12時になってしまった。疲労も溜まり、今日はここで引き返すか、このまま進むか迷う。
杏ヶ岳ルートの往復2時間と思われる。ここに来るのは14時、榛名湖に戻れるのは15時…。
暗くなる時間ではないので登る判断をして杏ヶ岳へ進んだ。
ちなみにここからの絶景はありませんでした。
杏ヶ岳の特徴は「静かな山登り」だと思います。
危険な箇所は特になく、急勾配というほどの激坂もなく、荒れた道もなく、岩場や鎖、ロープも特になく。絶景も特になし。
しかし、「山」本来の素朴な美しさを味わう渋い山登りを感じられるはずです。
標高も1,200〜1,300mになり紅葉が出てきました。美しい。
そしてあそこに見えるのが山頂かな♪
「鷲ノ巣山」
ここはまだ通過点でした。そろそろ疲労感も溜まる。今回工程予測時間5時間前後。今までの登山は長くて4時間30分程度でした。
ここは初心者ハイカーから中級者ハイカーの入り口に丁度いい登山ルートだと思います。
進んでいくと頂上が見える
ああ、やっと山頂か
なんだここ。山頂ではない。
そして先に進み、広がる光景を見て絶望
「なん…だと…。」
え、今のこの山降るの?そしてめちゃくちゃ遠くにあるあの山が山頂…?
正直もう、「帰りたかった」
心が折れそう。
「人生と山登りは似ている」と例に出されるが、これは本当に「山登りを趣味としている人にだけ分かる言葉である」と私は思います。
疲労もあるし、足の裏の筋が突っ張って痛くなってきた。この突っ張りは「足底筋膜炎」というらしい。
しかし、「進む」ここまで来て、退ける訳がない。
たどり着いた…。多分山を三つくらい越えたと思う。
この登山は単独で登れば静かな山歩きで済むが、縦走だと心を折りに来る「苦行」だ。
そしてこの殺風景な景色。展望は良くない。しかし、達成感はあった。
うーん、展望が悪い!あれは榛名富士の方かな?
コーヒーを淹れて一休み。
少し休み、下山へ。来たルートを戻る。
戻りルートだと、見える掃部ヶ岳。あそこから降りてきたのか。ああ、本当に景色が美しい。
登りの苦行と反して、帰りの下山はルンルン気分になります。景色を存分に楽しみましょう。
11月上旬に登ったので、床は枯れ葉の絨毯でした。
良い登山だった。と思いながら杖の神峠まですぐに戻ることができた。
下山道→榛名湖へ
そして道路道に沿ってエスケープルートで下山。
途中、高山植物だろう見たことのない花を見かける。
これの名称をパッと言えるようになったら登山上級者という感じがしますね。
廃道のような、管理が行き届いていない道をひたすら進む。
ここはもう登山道とは言えずコンクリートだったり、土道だったりの道が数キロ続く。結構退屈なのでAirPods持ってくればよかった…。
登ってきた山を見上げる。ああ、あのデコボコだ。間違いなくあの道を進んでいたんだな。
掃部ヶ岳方面を見上げると、「耳岩」が見えた。
ひたすら進み、分岐の先に「榛名湖」が見える。
ああ、帰ってきた。私は帰ってきたぞ!
という気持ちになる。
ちなみに榛名湖は紅葉がすごかったです。
画面いっぱいの紅葉。生きているって素晴らしい。生きているだけで丸儲け。
というわけで、無事下山しました。
私の体感ですが、ソロ登山の体力度で目安をつけるなら
- 初心者:工程3時間〜4時間以内
- 中級者:5時間〜8時間以内
- 上級者:8時間以上
もちろん複数人数で上級者について行く場合や団体で泊まり込みで行く場合などあると思いますが、あくまでソロの場合の目安としての体感でした。
朝からの登山で、疲労と眠気があるので「帰り道の車の運転」が一番危険と考えています。
榛名湖で榛名富士を見ながら、缶コーヒーで休憩してカフェイン補給。
ダイドーの「鬼滅缶」を自販機で購入。絵柄は「善逸」でした ✌︎(‘ω’)✌︎
初心者向けとは言い難い記事となりましたが、初心者の方にこそ是非失敗談も含めて参考になればと思います。
以上です!良い登山ライフを!