夫のKORNです。今回は雪山登山にチャレンジしました。
登ったのは2020年12月1日です。マイカーアクセスの際の路面凍結はありませんでした。(ノーマルタイヤしかないので凍結しない気候狙っていきました)
場所は「谷川岳」です。
標高は最高峰1,977m 群馬県みなかみ町に聳え立つ、通称「魔の山」
有名な話ですが「世界で一番遭難死者数が多い山」です。1931年〜2012年までに805名もの遭難死が確認され、これはエベレストなど世界の3,000m級の14山全ての遭難死者数を足してもこの数字にならず、ギネス記録に認定されている恐ろしい山です。
また、山をあまり知らなくても、谷川岳の「一ノ倉沢」で発生した「谷川岳宙吊り遺体収容」は昭和の白黒映像ながら「YOUTUBE」で映像が見られるほどに現代でも有名な出来事。
あまり知らない人は、「え、大丈夫?」って思われるのですが、それは「危険地帯の話」なので通らなければ問題ないです。
【私の場合の登山条件】
★日帰り登山
★マイカー移動
★ソロ登山(1名行動)
★群馬県高崎市拠点(出発地・帰宅地点固定)
まず、行先は「登山道」ではなく、「谷川岳ロープウェイ」に設定します。
谷川岳のスキー場を利用したことある方であれば分かりますね。
近くに「土合駅」がありますので、冬タイヤがなく路面凍結が気になる場合は、凍結していない駅から電車で向かっても良いかもしれません。
まず、谷川岳に向かおう!と計画を立てる方は、「今日の谷川岳」⇦(リンク)というページを日々確認することを推奨します。
谷川岳天神平のTwitterアカウントも情報発信しているので確認推奨します。
おはようございます。
— 谷川岳天神平 (@tenjindaira) November 30, 2020
本日より冬季営業時間となります。
営業時間 8:30~16:30(全日)
・天候Weather:雪/snow
・気温Temperature:0℃
・風速Wind speed:NE2m/s
・積雪 10㎝
12/1~3/31まで冬季営業時間となりますので、冬山登山のお客様はお乗り遅れにご注意ください。
天神平駅到着(登山道入り口)
今回のルートは初心者や観光客にもやさしい
「天神平駅(ロープウェイ使用)→熊穴沢避難小屋→天神のザンゲ岩→トマノ耳(※オキノ耳が山頂にあたるが吹雪で景観悪く道も悪かった為トマノ耳まで)→そのまま来た道を戻る下山ルートで行動しました。
「天神峠観光リフト」というのもありますが、2020年営業はこの時点では終了していました。
ロープウェイ乗り場
往復チケットを購入して乗り場に向かいます。
施設内は自販機もあります。登った先でも購入できるので、「水」を忘れた方はここらで買いましょう。
ゴンドラ内おおよそ10分くらいゆらゆら進みます。
3分間隔で動いているらしく、「何時発」のような時間縛りはないので営業時間「8:30〜17:00」までの間であればいつでも乗れます。
登山者も多くないので一人で乗りました。せっかくなので入念にストレッチ。
リフトからの景色。うーん、曇っていますね。天気予報は晴れでしたが、2,000m前後で冬の雪山で「雲ひとつない快晴」は激レアです。
到着。やはり自販機ありますね。
天神平駅到着。やはり上の世界は空が灰色ですね。私は北海道出身なので、「見慣れた光景」でした。むしろノスタルジックを感じるくらい…
はい、ここで「チェーンスパイク」を履きます。
スパイクはこれを使用しました。Amazonトップセールスだったのと、レビューが良かったのと、小物はオレンジ色で揃えているので丁度良かったです。
「アイゼン」より「チェーンスパイク」の方が使いやすいということだったので試してみましたが、靴下みたいにサクッと履けるし、歩きも普通に歩く動作と変わらず非常に快適でした。
登山口はこちら。出て右側に向かいます。
進むと撮影スポットが出てきます。ここは景観が良いです。山の位置確認のボードもあります。
空はグレーで曇っているけど、覗いているのは至仏山かな?白毛山か?
登山工程(画像でサクサク紹介)
スタートからこの積雪量。積雪10cmといったところでしょうか。
ロープウェイの終了時間のリマインド看板がありますね。
天神平9:00出発くらいでしたがハイカーが数人おりました。
こういう階段が埋もれた場所は危険。踏み外すと、足が埋まるか、ハマって転ぶと捻挫や骨折の危険もあるだろう。
ここまで、寒そうな景色ですよね。でも、意外とこの標高の段階では無風に近かったです。気温も0℃かマイナス1℃くらい。
むしろ、登っていたら暑くてずっと上着脱いで「ロンT一枚」で登っていました…。これ私だけでしょうか。雪山だから今日はロンTにならないだろうと思っていました。
一応、モコモコパイルジャケットと、厚手のジャケットは持ってきていましたが、パイルジャケットは腰に巻き、厚手ジャケットはリュックにしまいました。
※登山者たちと複数すれ違いましたが、ロンTで登っているのは私だけでした笑
登山道の目印を見落とさないように。
銀世界というより灰色世界をひたすら進む。
熊穴沢避難小屋が見えたら「中間地点」ですね。
中はこうなっていました。きれいですね。休憩に持ってこい。けど、休憩せずに進みました。
小屋の奥に何かを見つける
道にロープが張られている
いわお新道入り口のようだ。しかし、ロープ張られているから通行止めなのか?上級者は潜って入って行くのだろうか。
足跡は古く、今日は誰も入っていないようだ。
またひたすら登り。ここ、ロープ垂れてる個所なんですね。しかし使い物にならないので自力で登る。
登る時は、足の向きを「ハの字」で安定します。スキーやっている人なら分かりますね。
ここには鎖もあるのか。しかし使い物になりません。
天狗のトマリ場周辺。ここから更に急登かぁ。というのがよく分かる景色。そして山の上半分はホワイトアウトして見えない。
尾根道なので風が強くなってきます。クマザサが増えてきた。
積雪も40cmくらいになってきました。
天狗のザンゲ岩周辺まできて唖然
なん…だと…
進んで大丈夫なのだろうか。
そして道がなくなった
私が北海道民で雪と暮らして雪と成長してきたようなものなので、雪道が「普通の登山より楽に進めました」
むしろチェーンスパイクが食い込んで、滑らないから楽しい!!
ハイカー達をどんどん追い越していき気付いたらその日の先頭に追いついてしまいました。
この方、あとでお話しましたけど、当日7:00から登り始めており、ロープウェイ無しのルートで登っている「ガチ勢」でした。
しかし様子がおかしい。
道なき道をひたすらまっすぐ登っているし、何よりスピードが凄く「遅い」し「休み休み」動いている。
私は足跡を辿っていたら追いついてしまった。
立ち止まり休んでいたので、私は追い越して進んだ。
そして気がついた。
“ 足跡がない ”
おそらく私たちこの日のハイカーが登ってきた足跡は、前日以前の登山者のものを「この人」が進んできた足跡だったのだろう。
そしてこの時点で「標高1800m地点」吹雪は凄まじく、前日以前の足跡は「跡形もない」
私もとりあえず進んでみた。
…ズボ、…ズボ
いや、無理ですわ。
一歩進むごとに「50cm」は雪に埋まり、足を上げて、また埋まり、を繰り返す歩み。
尋常なく「体力を奪われます」
いやこれ絶対おかしい。そうだ、YAMAPを見よう。
ガッツリ道からずれていました。もうちょい ”右だ”
埋まりながら力を振り絞って右に舵を切って進み、埋まらず足を安定して踏める箇所を見つける。
よし、道に戻った!!
ベテランハイカーさんも「助かった!ありがとう!」とお礼を言ってくださいました。寒冷地だと携帯の充電が早く切れる為、朝から活動していたこの方は充電が切れてYAMAPも開けない状態だったようです。
どうやら笹の上を歩いていたようでした。そりゃ埋まるわ。
山の呼吸 “調息法”
標識もある!完全に登山道に乗った!
小屋が見える。ここは「肩ノ小屋」ですね。ここは寝泊りしたり、「売店」があるところですが、この時期は年内営業終了となりやっておりません。休憩スペースのみ開放されていました。ちなみにトイレもあります。
ここから完全に私が先頭でした。標識もほぼ雪で埋まっています。通常の登山道に乗っているにも関わらず、ここからは積雪50〜60cmを埋まりながら進みます。
そしてこの辺でかなり呼吸が乱れる。体力をかなり雪に奪われたようだ。
私は大学時代、少林寺拳法部に所属し監督をしてくれていた道院長が(少林寺拳法では師範という言葉はあまり使われない)息が乱れた時に教えてくれたのが「調息」という呼吸法でした。(ちょっと某鬼滅風に山の呼吸と勝手に名付ける笑)
- 最初に鼻で息を大きく吸い
- 口を細くして「限界まで息を吐ききる」
- そして鼻で大きく息を吸い直す。
- 吸い切る限界の少し手前で息を「2秒程」止める
- ②から繰り返しを2セット
これを行うと、ゼエハアいってた呼吸も徐々に整うから不思議。
分岐だ!もうちょいか。と見上げてみると
何か柱のようなものが見える
トマノ耳山頂だ!(標高1,963m)
(更に奥のオキノ耳が谷川岳山頂にあたるが、雪で道がないので断念)
前も、後ろも、景色もクソもない笑
凍えそうになりながらも猛吹雪の中記念撮影☆★顔も美肌に見えますわ笑
下山する前に休憩所に寄る
あ、皆さんバーナー持ってきてらっしゃる…
私は毎回「山頂コーヒー」するのが趣味ですが、浅間山に登った時に標高2,000m超える山だと「風が強く寒すぎて」バーナーがあまり機能しないことに気付いていました。
ジェットボイルバーナーだと強風や寒冷地でも安心して使えるのだが、ちょっと予算オーバー。趣味でお金を湯水のように使えるようになりたい…
そして今日は使わないだろうと決め、雪山を登るのに一つでも荷物を減らし身軽に動きたかったので持ってこなかったのだ。
コンビニで買った、チキンカツパンとエビマヨおにぎり一個と、小さいスニッカーズと缶コーヒー(冷)飲んで休憩終了。…と思ったら、先ほど一緒に登ったガチ勢のベテランハイカーが沸かしたお湯をくれました。
「お湯だけど飲む?」と一言
めちゃくちゃありがたい!はい、山頂と休憩で一気に体冷えていました。
ソロ登山の面白いところは、こういったハイカー同士の助け合いの縁を感じることですね。
下山再開
「雪山の下山は慎重に」というのが定説ですが、道民の私は違った。
「下山おもしれぇぇぇ!」
サクサクおりれる。雪道だから急斜面は滑り落ちても滑り台感覚!
北海道民は皆、小さい頃から雪で遊び、雪で走り、雪で滑り、雪で転げ回るものだ。
北海道の生活と違い、今は「撥水パンツ」と「チェーンスパイク」と靴に雪が入らないようにガードする「ゲイター」まであるのだ。
吹雪の中、今日の谷川岳をダッシュで駆け下りたのは私ぐらいだろう。(危険なので絶対に真似しないで下さい)
下山途中で見かけたこの光景。多分これが「天神のザンゲ岩」だったのかな?標識っぽいのも埋もれてしまっている。
この斜面を降りて行く。今日は終始この天気だった。
道民あるある。氷柱(つらら)をみると
叩き落としたくなる。(トレッキングポールで薙払いました)
楽しみながら難なく下山してしまった。下山楽しすぎて1時間ちょっとで降りてしまった🥺
帰る前に、売店で「登山バッジ」を購入
景色は見えなかったけど、大満足の谷川岳でした♪次は雪解けしてから行くぞー
次の記事では 雪山登山で
「絶対に必要だった装備」
「あまりいらないかもしれない装備」
「あったらあったで良かったもの」を紹介します